本報は,学生が福祉分野での生活支援に必要な知識や技術について学ぶとともに,「手づくり」を通して,主体的な学修の体験を重ね,生涯学び続ける意欲を持つことを念頭に,福祉分野における家政学教育に求められる教育内容のあり方について検討を行った.
衣生活領域では,学生が実習先や福祉(介護・児童施設など)現場での直接的利用を目的として作品を製作した.授業を通して学生の技術は確実に上達し,自分の力で作品を製作することができ,福祉の現場に利用できた.食生活領域においては,日常食の調理において,喫食者にとって優しく食べやすくなるように工夫した料理例について検討した.その結果,料理を作る楽しさを知った.家でも料理をしてみようと感じた.料理を通して人を幸せにしたい.上手になって両親に食べさせたいなどの意見が得られ成果が認められた.福祉分野における大妻らしい家政学教育は,学生にとって生涯継続する技能を修得できる必要不可欠な科目であるといえる.