人間生活文化研究
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学校の先生と取り組む合理的配慮指針に基づく手作り教材の制作と教育実践
生田 茂石飛 了一根本 文雄山下 さつき富山 仁子五月女 智子原 伸夫漆畑 千帆
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2017 年 2017 巻 27 号 p. 156-204

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抄録

 著者らは,「音声や動画などのマルチメディアを再生するドットコードと音声ペンの技術」「テキストをハイライトしながら同期を取って読み上げを行う電子書籍の技術」などを用いて,特別支援学校や通常学校の先生ともに,手作り教材を制作し,教育実践を行なっている.10 年ほど前に,「児童生徒一人ひとりの困り感の軽減」を目指して,筑波大学附属学校教育局時代に始めた取り組みは,今や国内の 150 名近い学校の先生が参加する一大プロジェクトとなっている.児童生徒一人ひとりは,それぞれ異なるニーズや要望を持ち,そして,異なる学びの履歴を持っている.A さんに有用な教材や教具が,必ずしも B さんに有用とは限らない.まさに,一人ひとりの児童生徒に対応した教材や教具が不可欠な所以である.本論文では,プロジェクトの展開にとって不可欠な,著者らも開発に協力して取り組んでいる,日本発のドットコードや電子書籍のコンテンツの制作のためのソフトウエアの最新の開発状況を報告する.そして,全国の 20 校の特別支援学校の先生などが,自分のクラスの一人ひとりの児童生徒の抱える課題や困り感に寄り添いながら,その困難の軽減や解決を目指して制作した手作り教材と教育実践について紹介する.本論文で紹介した実践事例は,特別支援学校に通う児童生徒の教育活動だけでなく,通常学校の特別支援学級や困り感を抱える児童生徒のための合理的な配慮に基づく教材や教具の開発を行う上で,極めて有用な指針を与えるものである.

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© 2017 大妻女子大学人間生活文化研究所
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