2018 年 2018 巻 28 号 p. 569-577
本研究の目的は,愛知・静岡・三重・岐阜の東海四県で作成されている保幼小接続に関するカリキュラム作成等の手引きにおいて,どの程度,国立教育政策研究所の見解が反映されているのか,さらには,地域の実態が考慮されているのかを明らかにするものである.本研究では,先行研究の知見を踏まえながら,カリキュラムの構成,接続期の時期,カリキュラム内容の一部の検討を行った.
その結果,国立教育政策研究所が接続期全体を見通したカリキュラムを提示していないことから,各県の動向は,①接続期の子どもの姿や実践具体例のみを提示,②県のスタンダートとして接続期カリキュラムを提示,③参考例として接続期カリキュラムを提示するという違いが見られた.また育てたい資質・能力などの分類は,国立教育政策研究所や文部科学省が示した「三つの自立」を引用する傾向が強いものの,ほとんどの県では再解釈して名称を設定していたが,その理由については明確に述べられていなかった.また,地域の実態を踏まえた施策に関連して,各県内でこれまで進めてきた研究で用いられてきた分類や名称との関連性についても解説がなされているが,複数の分類や名称を用いることで,非常に複雑化している事例も見られた.