2020 年 2020 巻 30 号 p. 291-307
大妻コタカは学校教育のみならず,家庭婦人や一般女性に向けた多くの書籍を出版し,大正〜昭和時代における家政系教育の裾野を広げた.現在,大妻コタカの著作のうち,大妻女子大学図書館所蔵の 31冊がデジタルアーカイブ化され「大妻コタカ著作集」として公開されている.大妻コタカの功績や,当時の学校教育の内容を知る重要な資料であるが,知名度は低く,また閲覧方法への配慮に足りないサイトデザインのために,積極的な利用が妨げられていた.本研究では「大妻コタカ著作集」の活用方法を提案することを目的に,新サイトデザインと学生による作品復元を行った.
方法としては,デジタルアーカイブを活用している既存サイト 5例から検討し,博物館データベース型,SNS型,一般的ホームページ型の 3種類のテスト用サイトを作成した.3種類のサイトについて学生を対象に調査を行った結果,「大妻コタカ著作集」の全体像を把握しやすく,学生が手軽に閲覧するには,画像を多用した一般的ホームページ型が適していることが明らかとなった.また複数のサイトをリンクさせることにより,サイトの認知度を挙げ,閲覧者の増加につながると考えられる.また作品復元等,デジタルアーカイブを積極的に教育現場に取り入れることは,学生の学びを深める手段として有用であると結論づけた.