人間生活文化研究
Online ISSN : 2187-1930
ISSN-L : 2187-1930
報告
地域住民の交流拠点としてのコミュニティスタジオに関する報告
―「第三の場」としての機能と可能性 ―
相良 友哉
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2020 年 2020 巻 30 号 p. 852-859

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抄録

 社会構造の変化により,「社会的な居場所づくり」への関心が高まっている.とりわけ,家庭,職場・学校に次ぐ第三の場,いわゆるサードプレイスを持つことが重要視されているが,コロナ禍の外出自粛に代表されるように,様々な事情で,人々が直接集うことが出来ない場合がある.このような問題に対処するひとつの方策として,サイバー空間にサードプレイスを形成し,オンラインで交流する方法がある.そこで,本研究は,動画の生配信を行うコミュニティスタジオに注目し,サードプレイスとしての要件を持っているか検討した.

 首都圏にあるスタジオCのFacebookページの内容分析および,スタジオでの参与観察により,スタジオCが,サードプレイスとしての8つの特徴を備えていること,スタジオにおけるオフラインの直接的なコミュニケーションと生配信を通じたオンラインのコミュニケーションとが重層的に機能しており,配信者にとっても,視聴者にとっても心地よい居場所になっていることが示唆された.

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© 2020 大妻女子大学人間生活文化研究所
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