抄録
造血幹細胞移植(HSCT)は,移植片対宿主病(GVHD),肝類洞閉塞症(VOD),血栓性細小血管障害(TMA)などの合併症をきたす。これまで急性GVHDは,臨床症状,検査データ,組織所見を参考にして診断されてきたが,最近は,病態に関わる様々な要因としてのバイオマーカーに関しても模索されつつある。また慢性GVHDは,自己免疫性疾患様の免疫反応をきたすと考えられているため,免疫関連のバイオマーカーが報告されている。VODとTMAは特徴的な臨床症状をきたすが,その本態は凝固異常病態であり,止血・凝固・線溶系のマーカーや,血管内皮細胞の活性化および障害マーカーの測定が重要である。さらに最近では,移植後合併症の診断に特異的な新規バイオマーカーもいくつか報告されている。