2001 年 10 巻 p. 29-36
本論は原聡介氏のフォーラム1の報告「教育思想史の課題と方法-近代問題にどう接近するか」の司会論文である。まず原氏の提案の概要とそれをめぐる質疑応答の概略を述べ、当フォーラムにおいてどのような議論がなされたのか、できるだけ忠実に再現したものである.さらに司会者の個人的な感想を述べ、最後に「教育思想史研究の論争点」を3つにまとめた。(1)「教育思想史」と「教育哲学」の差異について、どう考えるか、(2)教育思想史研究の観点・テーマについて、どう考えるか、(3)教育思想史研究の対象について、どう考えるか、以上である.これらは論者によって微妙に錯綜している論点であり、これらについて論ずることが教育思想史研究(教育思想史学会)のさらなる発展につながると思われる。