近代教育フォーラム
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国家・グローバリゼーション・教育 : 教育の政治性・市場性への公共空間の埋め込み(報告論文,国家・グローバリゼーション・教育,Symposium)
野平 慎二
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2006 年 15 巻 p. 119-131

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抄録

グローバリゼーションは、ヒト、モノ、カネ、情報の諸活動が国境を越えて地球規模で展開し、国家や社会集団、個々人の相互関係、相互作用が活発になる状況を指す。その過程は両義的である。すなわちグローバリゼーションは、一方では国家のゆらぎをもたらし、他方では国家の支配力の強化を招く。あるいは、一方では経済的、文化的な均質化(外部の消滅)を推し進め、他方では未知の他者との出会いを可能にする。本論では、グローバリゼーションという条件のもとで、国家、社会にどのような変化が生じ、何が教育にとっての課題となるのかを考えたい。両義性をもつグローバリゼーションの展開を人間形成に対して破壊的ではなく創造的なものとするためには、公共空間のもつ力によって教育の政治性と市場性をコントロールすることが必要となる。

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