人文地理学会大会 研究発表要旨
2008年 人文地理学会大会
セッションID: 302
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第3会場
イギリス,カーディフ市の小売業の立地パターンと土地利用計画
*根田 克彦
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抄録
本発表は,次の内容からなる.第1に,イギリス,ウェールズの首都であるカーディフ市の土地利用計画の概要を紹介する.第2に,2005年におけるカーディフ市中心部における小売店の分布パターンの現状を示す.第3に,土地利用計画と実際の小売店の分布パターンとを比較し,イギリスの土地利用計画における小売店の立地計画政策の課題を指摘したい. 調査年の2005年におけるカーディフ市の土地利用計画に関する指針である開発計画は,1996年発行の「カーディフ市ローカルプラン」である. カーディフ市ローカルプランの第9章は,「ショッピング」という題名である.カーディフ市では3階層のセンターの階層を設定しており,シティセンター,ディストリクトセンター,ローカルセンターとして指定されたセンターの階層構造を維持・強化して,それらの場所の再開発と再生計画を促進することが示される.新たな小売開発は,それらのセンター内かその付近に集中させることが望まれ,逆に,センター以外の場所,すなわちセンター外立地の開発を抑制される.それにより,既存のインフラストラクチャを有効利用し,すべての人が徒歩か公共交通機関で利用できる場所に買物施設を配置し,自家用車の利用を抑制することができるのである.なお,すべての開発が,障害者を含むすべての人々にとって近接性が良好であるためのデザインが必要である.
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© 2008 人文地理学会
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