抄録
本事例では, コンクリート三面張り河川におけるゲンジボタル幼虫やカワニナをはじめとする底生動物の生息場所の再生に向け,U字溝を利用した小規模な水制を河道へと設置した. 水制は, 洪水時の水の流れを局所的に変化させて緩やかな流れの場所を創出すると共に, 土砂を水制の問へと堆積させることにより, 底生動物の種数および個体数を増加させる効果があることを確認した. 本事例の手法は, 小規模な事業主体による実施を想定し, 安価で設置が簡便であることを特徴とする.U字溝を利用した9つの水制の設置に要した材料費は約4万円で, 作業は大人15名で5時間程であった. 今後, 水制の幅を長くするなどの工夫により土砂を堆積させる効果を高めることで, ゲンジボタル幼虫や他の底生動物にとってより好ましい生息場所を創出できる可能性がある.