エゴマ種実由来α-リノレン酸を多く含む豚肩ローススライス肉(エゴマ豚)の家庭用冷蔵庫チルド室内保存(加工後11日間)による脂質の脂肪酸組成と遊離アミノ酸含量の変動を一般豚(対照豚)と比較した。脂肪酸組成は両豚とも保存による変化はなかった。遊離アミノ酸は、保存により対照豚で多くのアミノ酸が増加し、遊離アミノ酸総量では保存前と6日目および11日目間に有意な差が見られた(P<0.05)。エゴマ豚ではグルタミン酸、メチオニン含量が保存により増加したが、アスパラギン、グルタミン、アルギニン含量が減少し、保存による遊離アミノ酸総量の変化はなかった。アンセリンとカルノシン含量は両豚で保存による変化はなかった。以上の結果から、保存11日であれば、両豚肉の脂肪酸組成の変化はないものの、遊離アミノ酸においてはエゴマ豚と対照豚とでは保存に伴う変動様式が異なることが示唆された。