The Horticulture Journal
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原著論文
ピリジンジカルボン酸は既知の老化抑制作用に加えて開花促進作用によってもスプレーカーネーション‘ライ トピンクバーバラ’の切り花の観賞期間を延長する
杉山 想佐藤 茂
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2015 年 84 巻 2 号 p. 172-177

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抄録

2,4- ピリジンジカルボン酸(2,4-PDCA)は,1- アミノシクロプロパン-1- カルボン酸酸化酵素活性を阻害することにより,スプレーカーネーション‘ライトピンクバーバラ’(LPB)切り花の日持ち日数を延長することが明らかにされていた.この作用に加えて,2,4-PDCA が開花を促進する可能性も示唆されていた(Satoh et al., 2014).本研究では,初めに,薬剤処理時の開花到達日数の短縮を指標にして,薬剤の開花促進効果を評価する方法を考案した.この方法を適用して,2,4-PDCA を含む PDCA アナログが,‘LPB’カーネーション切り花の老化を抑制して日持ち日数を延長する作用に加えて,開花促進作用を持つことを実証した.さらに,開花促進効果と老化抑制効果の両方を勘案して,PDCA アナログのなかで,2,3-PDCA と 2,4-PDCA が‘LPB’カーネーション切り花の処理剤として適していることを明らかにした.本研究によって,‘LPB’切り花において,PDCA アナログが開花を促進しかつ老化を抑制するため,開花した花の数が多く維持されて観賞期間が延長されることが示された.

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© 2015 The Japanese Society for Horticultural Science (JSHS), All rights reserved.
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