保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
Print ISSN : 1342-4327
外来水生植物ミズヒマワリの種子形成とその発芽特性
大道 暢之角野 康郎
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2005 年 10 巻 2 号 p. 113-118

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抄録

近年,日本各地において急速に分布を拡大している南米原産の外来水生植物ミズヒマワリ(Gymnocoronis spilanthoides DC.)の結実は今まで未確認であったが,筆者らが調査した結果,群馬県藤岡市,千葉県東金市・松戸市,愛知県豊橋市・田原市,大阪府高槻市,福岡県筑後市において種子形成を確認することができた.大阪府高槻市芥川では開花期が6-12月で結実は7-10月であった.段階温度法による発芽実験より,種子は休眠性を持たず,発芽適温は15-35℃であった.明条件で発芽が促進されるが,暗条件下においてもある程度の発芽が認められた.さらに水中での発芽も認められた.種子は越冬可能であるため,植物体が越冬不可能な寒冷な地方にも,今後,分布を拡大する可能性がある.

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© 2005 一般社団法人 日本生態学会

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