保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
Print ISSN : 1342-4327
調査報告
知床半島のエゾシカ越冬群に見られた若齢層の欠落傾向
小平 真佐夫葛西 真輔岡本 征史石名坂 豪能勢 峰秋葉 圭太
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 16 巻 1 号 p. 121-126

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抄録

北海道知床半島において2007年12月から2010年4月までに捕獲された698個体のエゾシカ切歯の切片標本を作製し、顕微鏡下で齢査定した。同半島の北部と東部に当たる知床岬地区と羅臼地区の標本において、5才以下の若齢層、特に2004年・2005年生まれ個体の欠落が認められた。越冬死亡数の経年変化は若齢層の欠落と整合しており、冬期の気候が主な死亡要因であると考えられた。同様の傾向は他の地区では目立っておらず、冬期の環境収容力が同半島内の場所により異なることが示唆された。

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© 2011 一般社団法人 日本生態学会

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