抄録
東日本大震災後の大津波で被災した海岸防災林でその後も生残していた広葉樹を調査することによって各地域に適した植栽樹種を選定する方法を提案した。調査は震災から約2.5年後に宮城県山元町の海岸防災林で行った。5 m×5 mのグリッド100個からなる50 m×50 mの調査プロットを林内に設置し、各階層(0-0.5 m、0.5-2 m、2-5 m、5-10 m、10 m以上)で生残が確認された全ての木本(稚樹・実生を含む)の出現頻度と種子生産の状況を調査した。ここで得られたデータと独自に定めた基準(①出現頻度が20%以上の樹種、②種子生産が確認された樹種、③小低木、つる性木本、外来種、人体に害を及ぼす樹種は対象外)を用いて樹種を選定した。その結果、宮城県が植栽適正樹種として定めている2樹種(コナラ、ヤマザクラ)に他に、広葉樹9種(ハンノキ、シロダモ、アカメガシワ、イヌツゲ、ウメモドキ、ネズミモチ、ヤマグワ、ガマズミ、コマユミ)を新たに選定できた。