奄美大島の亜熱帯照葉樹林における森林性鳥類の種組成、および保全上重要な種の生息密度分布のモニタリングに録音法を用いる可能性を検討した。繁殖期(2015 年4 月22 日~ 5 月6 日)に5 か所の森林域において、早朝および夜間に音声録音(録音法)とポイントカウント法を同時に実施した。オオトラツグミやルリカケスなど奄美大島の森林域に生息する保全上重要な鳥類種を含めて、録音法でもポイントカウント法とほぼ同様の鳥類相を記録できた。録音法で記録されたリュウキュウコノハズクとアカヒゲのさえずり頻度は、ポイントカウント法で計数した個体数に対して有意な正の効果を示し、録音法はこれらの種の生息密度のモニタリングにも有効であることが示唆された。