2024 年 29 巻 1 号 p. 69-78
要約:岩手県滝沢市・盛岡市を流れる木賊川では現在河川改修が進行している。その影響緩和を目的として、絶滅が危惧されるサクラソウの分布調査や工事区画由来の株の自生地内系統保存が行われている。当地のサクラソウを観察したところ、果実に穴を開けられ種子が食べられている事例が多くみられたため、これらの摂食がサクラソウ個体群の種子生産に及ぼす影響を検討した。開花した小花のうち、肥大し、かつ摂食されなかった果実の割合である健全果実率は、2020年はジェネット平均14%、2021年は18%と2割以下であった。一方、肥大した果実における被食率は、2020年はジェネット平均29%、2021年は18%であった。近隣の雫石個体群における2021年の健全果実率は40%、肥大した果実における被食率は6%であり、木賊川個体群では拮抗的な生物間相互作用である植食性昆虫による摂食の影響が相対的に顕在化している可能性が示唆された。摂食痕が見られた株を観察すると、果実内部の種子を食べている鱗翅目の幼虫や蛹が発見された。交尾器の観察により種名を同定したところトリバガ科のオダマキトリバと判明した。オダマキトリバによる摂食はジェネットや年次間で変動がみられ、その帰結として木賊川個体群のサクラソウは遺伝的多様性を保ちながら種子を生産できていると考えられた。このことから、現時点では人工授粉や袋がけによる果実保護など喫緊の保全対策を実施する段階にはないが、継続的な種子生産状況の把握が重要と考えられた。地域の生態系は、拮抗的な生物間相互作用も含めて成立しており、それらも含めて生態系を保全していくことの重要性が指摘されている。このことを踏まえると、オダマキトリバもサクラソウとともに地域の生態系の構成種の一つとして認識したうえで、環境改変が地域の生態系に及ぼす影響をモニタリングしていくことが重要であると考えられた。
Abstract: Ongoing construction activities are impacting the Tokusagawa River, which runs through the cities of Takizawa and Morioka in Iwate Prefecture, Japan. To elucidate and mitigate the impacts, efforts are being made to investigate the distribution of the endangered herb Primula sieboldii, and to preserve strains of the plant originating from the construction area. Observations of P. sieboldii plants have revealed many instances of insects puncturing fruit to reach the seeds within; thus, in this study, we examined the effects of such feeding damage on seed production in the Tokusagawa population of P. sieboldii. Fewer than 20% of fruit were intact, with genet averages of 14% in 2020 and 18% in 2021; 29% of enlarged fruits were damaged by feeding in 2020, and 18% in 2021. In the neighbouring Shizukuishi population, 40% of fruit were intact in 2021 and 6% of enlarged fruits were damaged. This implies that the negative effects of feeding by herbivorous insects—an antagonistic biological interaction—may be more pronounced in the Tokusagawa population. We found several lepidopteran larvae consuming seeds inside fruits, and chrysalises around damaged fruits and peduncles. The insect was identified as the plume moth Amblyptilia punctidactyla. Feeding by A. punctidactyla fluctuated between genets and years; consequently, P. sieboldii from Tokusagawa may remain able to produce seeds and maintain genetic diversity. Although we do not yet see a need to implement urgent conservation measures, such as artificial pollination or bagging to protect fruit, it is important to continue monitoring seed production. Local ecosystems naturally include antagonistic interactions among organisms, and effective ecosystem conservation must reflect this. To this end, it is also important to recognise A. punctidactyla as a component of the local ecosystem along with P. sieboldii, and to continue monitoring the effects of ongoing environmental modification on both the species of the Tokusagawa area and their interactions.
植物の保全においては、現存個体群の維持のみならず、有性生殖が健全に行われることが重要な目標となる。そのためには、個体の生存や繁殖に影響を及ぼす、送粉者や種子分散者などとの共生的な生物間相互作用や、食害者や病害生物との拮抗的な生物間相互作用を把握することが極めて重要である(鷲谷・大串 2006; 鷲谷・矢原 1996)。同時にこのことは、特定の種の保全のみならず、生物間のネットワークに基づいて構成される地域の生態系の保全にも有益な情報となる。
サクラソウPrimula sieboldii E. Morrenは、日本の北海道南部から九州、朝鮮半島、中国北東部、シベリア東部の湿った落葉樹林や草地に生育するサクラソウ科の多年生草本である。生育地の開発や植生管理の放棄、過度の採取などにより減少し、一時は絶滅危惧Ⅱ類に分類されたが(環境庁 2000)、各地で積極的な保全活動が行われた結果、現在では準絶滅危惧(NT)に変更された(環境省 2020)。サクラソウは、地下芽によるクローン成長と、種子繁殖を行う。地下に形成した芽から増えた個々の株をラメット、遺伝的に同一なラメットの集まりをジェネットと呼ぶ。各ラメットは生理的に独立しており、春に出芽して成長し、獲得した光合成産物量に応じて地下に新しい芽を作ったあと、その年の秋までに枯れる。花茎は1ラメットにつき1本つき、1本の花茎に3-15個程度の小花がつく。順調に結実した場合には、薄い果皮に包まれた蒴果内部に100個前後の種子が成熟する。ジェネット間では、花弁の形や色、大きさなどに変異が見られるため、目視によりジェネットをある程度識別することが可能である(Washitani et al. 1991)。異型花柱性という繁殖システムを持ち、柱頭が葯よりも高い位置にある花型を示す長花柱花ジェネットと、逆に柱頭が葯よりも低い位置にある花型を示す短花柱花ジェネットが見られ(Washitani et al. 1994)、健全な種子生産にはトラマルハナバチBombus diversus diversusやビロードツリアブBombylius majorなど口吻の長い特定の昆虫種による異なる花型間での他家受粉が必要である(Washitani et al. 1995; Yoshida et al. 2021)。まれに自家和合性を示すジェネットも存在するが(Washitani et al. 1994)、自殖種子では近交弱勢による発芽率の低下や実生の生育不良が高頻度で観察される(永井ほか2006; Kitamoto et al. 2008)。
岩手県においてもサクラソウは開発や河川改修等により減少しており、岩手県版レッドリストでは絶滅の危機が増大している種(Bランク)として掲載されている(岩手県環境生活部自然保護課 2020)。岩手県には500ジェネット以上からなる全国的に見ても規模の大きい(Honjo et al. 2004, 2009)個体群が存在する一方、開発に伴う生育地の孤立・分断化によりわずか数ジェネットのみに減少した個体群も少なくない(本城、未発表)。それら規模が縮小した個体群では、片方の花型しか残存していない場所も存在する(本城、未発表)。現在、岩手県滝沢市と盛岡市を流れる木賊(とくさ)川において、下流の都市開発に伴う河川改修事業が行われており、流路の付け替えや直線化、遊水地の造成といった工事が進められている。この事業地は市街地に隣接しているが、サクラソウが生育しているほか、市街地近郊の平野部では珍しいミズバショウLysichiton camtschatcensis (L.) SchottやザゼンソウSymplocarpus renifolius Schott ex Tzvelevなどの群落や、カワシンジュガイMargaritifera laevisやタナゴAcheilognathus melanogasterなどの希少生物種が多数確認されており、当地旧来の豊かな生物相が残された場所となっている。そのため、工事による各種生物・生態系への影響緩和を目的として、地域住民や研究者、行政の協力による保全活動が行われている(豊島 2017; 辻 2018, 2020)。それらの活動の一環として、サクラソウについては、遺伝的多様性の保全および個体群の長期的存続を目標として、現存分布や繁殖状況のモニタリングに加え、工事により破壊される場所に生育しているサクラソウを自生地内の破壊されない場所に移す自生地内系統保存活動が2018年に開始された。これらの自生地内系統保存ジェネットについては、翌2019年に順調に活着したことを確認した後、2020年より種子生産状況のモニタリングを開始した。その結果、萼片や花柄、また、肥大した果実の外面に穴を開けられ内部の種子が食べられている事例が多く観察された。植物の果実や種子が他の生物に摂食されることは広く観察される事象であるが、摂食の頻度や量が大きい場合や、摂食されている植物の個体数が減少していたり希少性が高い場合には、それらの摂食が当該植物の個体群存続に大きな負の影響を及ぼす場合も想定される(Yamashita et al. 2003; 渡辺ほか2003; Abe 2007; 伊藤ほか2016; Sugiura 2016; 長谷川ほか2017; 菅ほか2018; 辻田ほか2019)。負の影響が大きい場合には、積極的な保全対策を講じることも、選択肢の一つとして検討すべきであろう。その一方で、地域の生態系は、食害者や病害生物など拮抗的な生物間相互作用をもたらす生物も含めて成り立っており、それらの生物種や生物間相互作用も含めて生態系を保全していくことの重要性も指摘されている(鷲谷1998、佐伯ほか2013、倉本ほか2019)。ただし、果実や種子を摂食している生物が近年侵入した外来種であるケースもあり(Yamashita et al. 2003; 渡辺ほか2003; Abe 2007; Sugiura 2016)、そのような生物学的侵入により在来植物の繁殖成功が損なわれてる場合には、積極的な保全対策の検討や実施が重要であると考えられる。このように絶滅危惧植物の保全においては、その繁殖成功に影響を及ぼす食害者について、種名の同定や特性の把握、植物の繁殖に及ぼす影響などをモニタリングし、今後の保全方針を検討していくことが重要であると考えられる(Genes and Dirzo 2022)。そこで本報告では、生育地の分断・孤立化が進行している岩手県木賊川遊水地事業地のサクラソウ個体群(以降、木賊川個体群と表記)において見出されたサクラソウの種子を摂食している昆虫の種名を同定し、2020年および2021年にサクラソウの種子生産に及ぼす影響について調査した結果を報告する。
調査地
調査地(図1)は、岩手県滝沢市の木賊川に沿って発達する落葉樹林下に位置する(北緯39度45分21秒、東経141度7分4秒付近)。ハンノキAlnus japonica (Thunb.) Steud.、トネリコFraxinus japonica Blume ex K.Koch、オニグルミJuglans mandshurica Maxim. var. sachalinensis (Komatsu) Kitam.、シロヤナギSalix dolichostyla Seemen subsp. Dolichostyla、アブラチャンLindera praecox (Siebold et Zucc.) Blume、ズミMalus toringo (Siebold) Siebold ex de Vrieseなどからなる河畔林、湿性林の林床にサクラソウやミズバショウ、ザゼンソウ、ルリソウNihon krameri (Franch. et Sav.) A.Otero, Jim.Mejías, Valcárcel et P.Vargasなどの湿地を好む植物が生育している。2018年よりサクラソウの自生地内系統保存が開始され、これまでに、河川改修工事により破壊される区域に生育する計16ジェネットについて、破壊されない区域の後背湿地、川に沿って約40 mの範囲に移す活動を、市民や研究者、地域の中学校が協働して行った。元々の生育地点から系統保存区画までの距離はおよそ300 m以内である。系統保存区画内およびその近辺にも約20の自生ジェネットが認められる。本報告における調査は、系統保存区画を含む、川に沿って約100 mの範囲に散在するサクラソウを対象に実施した。あわせて木賊川個体群から西方約12 kmに位置し数百ジェネットが生育する岩手県雫石町の自生地(以降、雫石個体群と表記)についても調査を行い、木賊川個体群の状況を評価するうえでの参照データを取得した。
サクラソウの開花および果実肥大状況の調査
木賊川個体群におけるサクラソウの開花期にあたる5月上~中旬に、2020年は自生地内系統保存ジェネットを主とする18ジェネット、2021年は前年調査したジェネットに、付近の自生ジェネットを加えた計30ジェネットについて開花ラメット数を調査した。なお、これらのジェネットは、花弁の形や色、大きさ、異型花柱性における花型(長花柱花、短花柱花)などの花器形態および生育場所(自生地内系統保存ジェネットについては元々の生育場所)の位置情報から識別したものである。これらのジェネットについて、果実肥大の中期~後期にあたる2020年6月6日、および2021年6月5日に果実肥大状況を調査した。各ジェネットについて、すべての、または抽出した10~12の開花ラメットを対象に、それらの小花について、(a)調査時点で果実が肥大し、かつ摂食痕の認められないもの、(b)果実が肥大したが中身の種子が摂食されているもの、(c)果実の肥大が認められないもの、の3項目に分類した。調査日時点で肥大が認められ、かつ、摂食されていない果実を健全果実と定義し、各ラメットごとにa/(a+b+c)により健全果実率を算出した。また、クローン成長を行うサクラソウの場合、遺伝子型に基づく個体の単位はジェネットに相当することから、ジェネットごとに各ラメットの値を平均し、各ジェネットの健全果実率を算出した。さらに、肥大が認められた果実のうち摂食痕のある果実の割合として、肥大した果実における被食率 = b/(a+b)を算出した。各ジェネットの健全果実率、および肥大した果実における被食率が年次間で変動するか検討するために、Spearmanの順位相関係数を算出した。また、2021年については、自生地内系統保存ジェネットと自生ジェネットで、ラメットごとの健全果実数や被食果実数に違いがあるかロジスティック回帰分析により調べた。ラメットごとの健全果実数(a)と非健全果実数(b+c)、もしくは被食果実数(b)と健全果実数(a)を応答変数としてロジスティック回帰分析を行った。ジェネット間によるばらつきが大きかったため、ジェネットの違いをランダム変量として扱った。雫石個体群については2021年6月19日に10ジェネット113ラメットを対象に果実肥大・被食状況を同様に調査した。
種子を摂食する昆虫の同定
5月上旬から6月下旬まで週に1回観察を行うなかで摂食痕のある果実や小花柄周辺に見出した鱗翅目の幼虫や蛹のなかから、2021年6月5日に老熟幼虫および蛹各1個体を採取し、縦約5 ㎝×横約5 ㎝×深さ約3 ㎝のプラスチック容器にサクラソウの葉や花茎とともに入れて飼育したところ、同年6月14日および17日に羽化した。これらの羽化個体にくわえて、2020年6月6日に採集し6月12日に羽化した成虫2個体の乾燥標本とともに同定に供した。同定に際しては外部形態とともに、トリバガ類の種名同定に有効である雄交尾器の観察を行った。交尾器は腹部ごと15%水酸化カリウム水溶液に入れて20分程度湯浸し、双眼実態顕微鏡の下で、交尾器解剖、洗浄、クロラゾールブラック水溶液での染色、脱水固定、プレパラート作成の後、観察した。
サクラソウの果実肥大と被食状況
2020年に木賊川個体群の18ジェネットについて調査したところ、153の開花ラメットが認められた。このうち、27ラメットは6月の果実肥大期までに花茎全体が破損、腐敗した。残りの開花ラメットのうち、上述の方法で抽出した100ラメットについて果実の肥大状況を調査した(表1)。その結果、57ラメットについて果実の肥大が認められたものの、うち13ラメットは全ての果実が途中で摂食され損傷しており、調査日時点で認められた健全果実は14ジェネット計44ラメットに由来する計98個であった。3ジェネットは健全な果実が1つも認められなかった。ジェネットごとの健全果実率は0%~45%の値をとり、平均14%であった。肥大したが果皮に丸い穴を開けられ内部の種子が摂食されている果実(図2)は、ジェネットあたり0個~23個、合計62個であった。肥大した果実における被食率はジェネットごとに0%から100%の値をとり、平均26%であった。なお、これらの値は、調査日時点での値であり、6月下旬に種子が完熟して自然散布されるまでにさらに被食やその他の要因により健全果実が減少する可能性がある。
2021年は30ジェネットについて調査したところ、318の開花ラメットが認められ、このうち、6月の果実肥大期に確認された192ラメットを対象に果実の肥大状況を調査した(表1)。その結果、86ラメットについて果実の肥大が認められたが、うち13ラメットは全ての果実が摂食され損傷しており、調査日時点で認められた健全果実は24ジェネット計73ラメットに由来する計151個であった。6ジェネットは健全な果実が1つも認められなかった。ジェネットごとの健全果実率は0%~100%の値をとり、平均18%であった。被食果実はジェネットあたり0個~20個、合計63個であった。肥大した果実における被食率はジェネットごとに0%~100%の値をとり、平均18%であった。
各ジェネットの健全果実率における年次変動をみると、例えば2020年には健全な果実がなかったジェネットも2021年には7割の果実が健全に肥大しているなどの例がみられ、年次間での相関はみられなかった(r = -0.140、p = 0.619、図3)。同様に、肥大した果実における被食率においても、2020年にはすべての肥大した果実が穴を開けられ内部の種子を摂食されていたジェネットが2021年はすべての果実が健全に肥大しているなどの例がみられ、年次相関はみられなかった(r = -0.175、p = 0.568、図3)。
2021年の健全果実数、肥大した果実における被食数について、ジェネットの違いをランダム変量としてロジスティック回帰分析したところ、自生地内系統保存ジェネットと自生ジェネットで有意差は認められなかった(健全果実数:自生ジェネットの係数 = -0.396 ns、切片 = -1.790 ***、AIC = 491.9、被食数:自生ジェネットの係数 = -0.582 ns、切片 = -1.255 *、AIC = 203.6、数値右の*と***はそれぞれZ値についてp < 0.1、0.001を示す)。
雫石個体群では、2021年に調査を行った10ジェネットから見出された健全果実は計307個、ジェネットごとの健全果実率は3%~67%の値をとり平均40%であった(表1)。被食果実はジェネットあたり0個~5個、合計11個であり、肥大した果実における被食率はジェネット平均6%であった。木賊川個体群で観察された幼虫や蛹を含めて、サクラソウの果実や種子を摂食している昆虫は調査中には観察されなかった。
サクラソウ種子を摂食する昆虫の同定
サクラソウの果実肥大が始まった5月下旬に、摂食痕のある果実や周辺の小花柄に鱗翅目と思われる幼虫や蛹が観察された。これらの幼虫や蛹は散在するサクラソウのジェネットから複数見出されたが、すべてよく似た姿態を呈し、これらの他には観察した範囲でサクラソウの果実を摂食している昆虫は見当たらなかった。採取した幼虫や蛹から羽化した個体を観察したところ、以下の特徴が観察されたことからトリバガ科のオダマキトリバAmblyptilia punctidactyla Haworthであると同定した(図4):(1)成虫は雌雄ともに開張13~21 mm、翅全体が茶褐色であり、前縁の黒褐色の三角紋の外側の辺は直線的であり、後翅第3羽状翅の後縁にある特殊鱗塊が三角状に配列されている、(2)雄交尾器のククルス背部の骨化部突起は比較的長く、やや湾曲し、アネルスの突起はやや骨化し、サックスは幅広で毛束が発達する。なお、オダマキトリバに似た種としては近縁のニホントリバAmblyptilia japonica Yanoがあげられるが、ニホントリバは翅は黒っぽい灰褐色、前縁の黒褐色の三角紋の外側の辺は湾曲する点で(Yano 1963)、今回観察された個体とは区別された。標本は著者の一人である間野隆裕が保管している(交尾器プレパラート番号1561)。
岩手県木賊川遊水地事業地におけるサクラソウの果実肥大状況
木賊川個体群では、健全果実率が2020年はジェネット平均14%、2021年は18%といずれも2割に達していなかった(表1)。一方、肥大した果実における被食率は2020年は29%、2021年は18%であった。摂食された果実のすべての種子が成熟まで至らないのか、一部は成熟まで至る場合もあるのかについてはさらなる詳細な調査が必要であるが、オダマキトリバによる摂食が種子完熟前の果実肥大中期~後期に発生していること、観察した限りでは摂食痕のある果実では大半の種子が摂食されたり果実外部に漏出していることから(図2)、摂食された果実では相当量の種子が成熟まで至らない可能性が高いと推察された。この状況は、自生ジェネットと自生地内系統保存ジェネットとの間で有意な差はなく同様の傾向であったことから、移植という行為によってもたらされたものではなく、木賊川の環境要因により生じているものと推測された。
上記の値を近隣の自生地と比較すると、木賊川個体群から西方約12kmに位置し数百ジェネットが生育する雫石個体群では、2021年の健全果実率はジェネット平均40%、肥大した果実における被食率はジェネット平均6%であり(表1)、木賊川個体群は雫石個体群に比べ、健全に肥大した果実が少ない一方、摂食が多いことがうかがわれた。サクラソウの果実が肥大しない要因としては、(1)花粉媒介昆虫による異花型ジェネットからの受粉が行われていないこと、(2)不良な栄養条件、(3)菌や昆虫や哺乳類等の生物および風雨等の非生物的要因による生物的・物理的要因による枯損があげられる(Matsumura and Washitani 2000)。このうち(1)の要因については、花粉媒介昆虫の訪花頻度が低いことや、個体群サイズの減少に伴い異型花柱性の花型比が著しく偏っている事例が報告されているが(Washitani et al. 1994; Matsumura and Washitani 2000; 吉田ほか 2012)、木賊川個体群の場合には、長花柱花ジェネットと短花柱花ジェネットの両花型が一定数存在していることから(表1)、花型比の偏りではなく花粉媒介昆虫の訪花が少ないことが主因の一つである可能性がある。雫石個体群では、サクラソウのもっとも有効な花粉媒介昆虫であるトラマルハナバチ(Washitani et al. 1995)の訪花が頻繁にみられたのに対し、木賊川個体群では、本調査を行った両年を含めトラマルハナバチのサクラソウへの訪花は1回も観察されていない。このことから、トラマルハナバチの訪花頻度についてはより詳細な調査が必要であるが、訪花頻度は低いことが推察される。雫石個体群は個体群サイズが大きいのに対し、木賊川個体群は周辺の開発により分断・孤立化が進んでいることから、それらの影響を強く受けている可能性が示唆される。
オダマキトリバによるサクラソウ種子の摂食
オダマキトリバは日本国内では北海道、本州、四国、九州、対馬に、国外ではサハリン、ロシア、ヨーロッパに分布する開張13-21 mmのトリバガ科の昆虫で(井上 1982; 間野 2013)、翅全体は茶褐色である。成虫は3月から12月に採集されており(間野 2013)、成虫越冬と考えられる(Yano 1963)。寄主植物として、ヒガンバナ科のネギAllium fistulosum L.、キンポウゲ科のオダマキAquilegia flabellata Siebold et Zucc. var. flabellata、シソ科のチョロギStachys sieboldii Miq.などが報告されている(松村 1931; Yano 1963)。サクラソウについては、これまでに北海道のサクラソウ自生地におけるオダマキトリバによる種子の摂食が報告されている(Matsumura and Washitani 2000)。サクラソウは北海道では日高・胆振地方の沿岸地帯にのみ自生し、日本における分布の北限となっている。Matsumura and Washitani (2000) は当地域のサクラソウの種子生産状況を調査したところ、複数の個体群においてオダマキトリバを含む鱗翅目の幼虫により果実や種子が摂食されていることを観察した。摂食の程度は個体群間でばらついたが、多くの個体群ではおよそ10%程度の果実が摂食されていた。今回新たに岩手県のサクラソウ個体群からもオダマキトリバによるサクラソウ種子の摂食が観察されたことから、北日本のサクラソウ自生地ではオダマキトリバによるサクラソウ種子の摂食行動が広く行われている可能性も考えられる。一方、埼玉県や長野県八ヶ岳山麓のサクラソウ自生地でもサクラソウの種子生産や、サクラソウの種子生産に拮抗的な作用をもたらす生物間相互作用が調べられているが(Washitani et al. 1994, 1996; Kitamoto et al. 2006)、それらの個体群ではオダマキトリバによるサクラソウ種子の摂食は報告されていない。ただし、長野県松本市のサクラソウ自生地からニホントリバAmblyptilia japonicaによるサクラソウ種子の摂食が報告されており(土田・千葉 1996)、北海道、岩手県以外の地域におけるオダマキトリバによるサクラソウ種子の摂食についても、今後より詳細に調べていく必要がある。
木賊川個体群におけるオダマキトリバによるサクラソウ種子の摂食は、同じ生育地内のジェネット間ならびに年次間で変動が認められた(表1、図3)。このようなサクラソウと拮抗的な関係にある昆虫との間の生物間相互作用に時空間的な変動がみられる事例は他にも報告されている。Washitani et al. (1996)は、長野県八ヶ岳山麓のサクラソウ自生地において、ハナムグリハネカクシ属の昆虫Eusphalerum bosatsu Watanabeがサクラソウの蕾に横から穴を開けて花の中に潜り込み、花粉や花の組織を食べたり交尾をしていること、そのような花では種子生産が著しく低下することを見出した。しかし、その摂食程度は連続した落葉樹林内に散在している局所個体群間で大きく異なっていたほか、年次間でも変動が見られた。ハナムグリハネカクシ同様、オダマキトリバとサクラソウの関係は、単年度でみれば、個々の花、ラメット、あるいはジェネットとして壊滅的な被害を受けるものであったとしても、個体群全体として長期的にみれば、サクラソウは遺伝的多様性を保ちながら種子を生産できていると考えられた。
地域の生態系の保全に向けて
地域の生態系は、食害者や病害生物など拮抗的な生物間相互作用をもたらす生物も含めて成り立っており、それらの生物種や生物間相互作用も含めて生態系を保全していくことの重要性が指摘されている(鷲谷1998、佐伯ほか2013、倉本ほか2019)。倉本ほか(2019)は、現在は関東地方の3水系のみに残存し絶滅危惧Ⅱ類に指定されているカワラノギクAster kantoensis Kitam.(環境省 2020)の種子を摂食するツツミノガ属の1種(Coleophora sp.)の現存状況を調査した。その結果、本昆虫は、かつては少なくとも多摩川水系のカワラノギク個体群では比較的普通に見られたが(倉本ほか 1994)、現在では多摩川の2つのカワラノギク個体群のみからしか見出されず、著しく衰退している可能性が明らかとなった。倉本ほか(2019)は、カワラノギクの再生活動に関わった市民の中には、本昆虫はカワラノギクの種子を食害してカワラノギクの個体数を減少させるのでいない方が良いとする見方も存在することをあげつつ、「生物多様性を生きものたちの豊かな個性のつながりと捉えるなら、ツツミノガ属の1種とカワラノギクの食う食われる関係をつながりの一つとして保全すべき」と述べている。一方で、昆虫等の生物による摂食が果実・種子生産に及ぼす被害が大きい場合や、摂食されている植物の個体数が減少していたり希少性が高い場合には、それらの摂食が当該植物の個体群存続に大きな負の影響を及ぼす場合も想定される。近年、日本に自生するラン科植物の果実に寄生するハモグリバエ類の被害が全国的に拡大し、ラン科植物の健全な種子生産に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった(長谷川ほか2017; 菅ほか2018; 辻田ほか2019)。例えば菅ほか(2018)は、キンランCephalanthera falcata (Thunb.) BlumeやクマガイソウCypripedium japonicum Thunb.の関東地方近辺の複数の個体群において、被害果率が90%前後に達することを報告している。ラン科植物は環境省のレッドリストに掲載されている種も多く、摂食からの保護を目的とした花序への袋がけや株全体を覆う資材の利用、殺虫剤の散布などの有効性が検討されている(長谷川ほか 2017; 伊藤ほか 2016; 松井ほか 2022)。
本論文における調査の結果、木賊川個体群では、近隣の雫石個体群に比べ共生的な生物間相互作用である花粉媒介昆虫による受粉サービスが低下している一方、拮抗的な生物間相互作用である植食性昆虫による摂食の影響が相対的に顕在化していることが示唆された。しかしながら、雫石個体群に比べると量的には少ないものの、現時点では遺伝的多様性を保ちながらサクラソウは種子を生産できていることが明らかとなった。これらの結果から、現時点ではサクラソウの地域個体群の存続を目的として人工授粉や袋がけによる果実の保護などを喫緊の保全対策として実施する段階にはないが、継続して種子生産状況を把握していくことが重要であると考えられた。もし今後、木賊川個体群でも野生ランのように健全な種子生産が著しく低下するようになった場合には、人工授粉や袋がけによる果実保護などの実施を検討すべきであろう。これまでにサクラソウにおいても種子生産数が少ない場合に人工授粉を行うと種子生産性が向上しうること、花序に袋がけをしても果実が成熟し種子が得られることを確認している(吉田ほか 2012)。
佐伯ほか(2013)は、種を超えた保全のアプローチとして「絶滅危惧生態系」という概念を提唱した。日本では希少種など特定の種に着目した保全施策が展開されることが多く、その施策により一定の生物保全上の成果があげられてきたが、一方で、特定の種の保全に意識が集中しやすく、それ以外の種や未知の種、種を支える生態系の特徴やプロセスを守ることへの関心が薄れやすいなどの課題も指摘されている。佐伯ほか(2013)はこのような課題の克服に向け、絶滅危惧生態系というキーワードを提唱し、生態系全体の保全に注意が払われるよう提言した。佐伯ほか(2013)では日本の絶滅危惧生態系として多岐にわたる景観が紹介されているが、なかでも主要なものとして河川や湿地があげられており、その理由として、開発や治水工事によって、河川が本来もつ攪乱プロセス、植生、地形が失われていることが指摘されている。本論文の調査地である木賊川遊水地事業地もまさに上記に相当する立地・状況であり、佐伯ほか(2013)が絶滅危惧生態系の特徴としてあげている、地域を代表する自然、多くの希少種や絶滅危惧種が分布、分断化が進行、本来もつ機能やプロセスの消失・劣化、といった項目にも該当する。木賊川遊水地事業地ではサクラソウのほか様々な動植物の調査が行われており(豊島 2017; 辻 2018, 2020)、最終的にはそれらの調査結果を総合して地域の生態系を保全することを目指している。このことは佐伯ほか(2013)が提唱する絶滅危惧生態系の保全にほかならないと考える。本論文で着目しているオダマキトリバについても、サクラソウの種子生産という観点からすると負の作用をもたらす種であるが、そのような拮抗的な生物間相互作用も含めて地域の生態系が成り立っていると推定される。Genes and Dirzo (2022)は生態系の復元において植物と動物の相互作用の理解が重要であり、なかでも、食害などの相互作用については知見が少なく重点的に調査を進めていくべきだと述べている。本調査はその一端を明らかにしたものであり、オダマキトリバがサクラソウ個体群の存続に及ぼす影響をモニタリングしつつ、オダマキトリバも地域の生態系の構成種の一つとして認識し、木賊川遊水地事業地全体の生態系を視野に入れた保全・再生事業が重要であると考えられた。
調査にあたり、斎藤 政宏氏、斎藤 セイ子氏を始めとするたきざわ環境パートナー会議ならびに野生サクラ草ネットワークの皆様、嘉糠 くに子氏、中村 英俊氏を始めとする雫石「銀河の森」野生サクラソウの会の皆様、辻 盛生氏、渋谷 晃太郎氏、豊島 正幸氏ら岩手県立大学の皆様のご協力を頂いた。昆虫種の同定にあたり須田 真一氏のご協力を頂いた。ここに深甚なる謝意を表する。
引用文献
個体群 | ジェネットID | 移植/自生y | 花型x | 2020z | 2021 | |||||||||||
開花 ラメット数 |
果実を調査したラメット数 | 健全果実数 |
健全 果実率 (%)±SD |
被食果実数 | 肥大した果実における被食率(%)±SD |
開花 ラメット数 |
果実を調査したラメット数 | 健全果実数 |
健全 果実率 (%)±SD |
被食果実数 | 肥大した果実における被食率(%)±SD | |||||
木賊川 | 2 | 移植 | 長 | 4 | 4 | 13 | 29±20 | 1 | 6±10 | 3 | 3 | 6 | 28±25 | 4 | 27±46 | |
12 | 移植 | 短 | 2 | 2 | 1 | 5±6 | 0 | 0±0 | 8 | 8 | 2 | 5±10 | 2 | 33±58 | ||
14 | 移植 | 短 | 7 | 7 | 2 | 3±7 | 0 | 0±0 | 11 | 11 | 14 | 20±30 | 8 | 23±44 | ||
15 | 移植 | 短 | 4 | 4 | 3 | 18±14 | 0 | 0±0 | 5 | 5 | 3 | 10±14 | 0 | 0±0 | ||
16 | 移植 | 短 | 19 | 11 | 12 | 19±21 | 1 | 7±19 | 16 | 16 | 7 | 8±20 | 3 | 33±52 | ||
18 | 移植 | 短 | 12 | 12 | 9 | 10±15 | 0 | 0±0 | 2 | 2 | 0 | 0±0 | 0 | 0±0 | ||
19 | 移植 | 長 | 2 | 2 | 0 | 0±0 | 0 | 0±0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | - | ||
20 | 移植 | 長 | 9 | 9 | 14 | 21±23 | 1 | 7±15 | 9 | 9 | 9 | 17±16 | 5 | 21±33 | ||
21 | 移植 | 短 | 2 | 2 | 2 | 25±35 | 5 | 50±71 | 4 | 4 | 1 | 4±7 | 0 | 0±0 | ||
22 | 移植 | 長 | 2 | 2 | 3 | 30±42 | 0 | 0±0 | 2 | 2 | 0 | 0±0 | 1 | 100±0 | ||
23 | 移植 | 長 | 4 | - | - | - | - | - | 4 | 4 | 10 | 40±27 | 0 | 0±0 | ||
35 | 移植 | 短 | 4 | 4 | 2 | 10±20 | 0 | 0±0 | 1 | 1 | 0 | 0±0 | 0 | 0±0 | ||
36 | 移植 | 短 | 6 | 6 | 0 | 0±0 | 0 | 0±0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | - | ||
42 | 移植 | 長 | 9 | 9 | 3 | 7±17 | 23 | 75±42 | 9 | 9 | 12 | 19±24 | 20 | 56±44 | ||
51 | 移植 | 長 | 1 | 1 | 0 | 0±0 | 1 | 100±0 | 2 | 2 | 12 | 70±28 | 0 | 0±0 | ||
52 | 移植 | 短 | 4 | 4 | 5 | 15±11 | 9 | 58±43 | 5 | 5 | 14 | 40±31 | 1 | 3±6 | ||
4 | 自生 | 長 | 39 | 10 | 5 | 9±19 | 11 | 64±48 | 34 | 10 | 3 | 8±21 | 2 | 33±47 | ||
39 | 自生 | 短 | 23 | 11 | 24 | 45±35 | 10 | 25±42 | 19 | 11 | 14 | 26±22 | 0 | 0±0 | ||
7 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 37 | 12 | 2 | 2±7 | 0 | 0±0 | ||
24_55 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 4 | 4 | 0 | 0±0 | 0 | 0±0 | ||
25_45_46 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 38 | 12 | 4 | 5±9 | 8 | 40±55 | ||
26 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 24 | 11 | 6 | 11±14 | 1 | 17±41 | ||
27 | 自生 | 長 | - | - | - | - | - | - | 8 | 8 | 5 | 11±24 | 0 | 0±0 | ||
28 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 2 | 2 | 2 | 14±20 | 0 | 0±0 | ||
29 | 自生 | 長 | - | - | - | - | - | - | 2 | 2 | 6 | 100±0 | 0 | 0±0 | ||
30 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 4 | 4 | 3 | 11±21 | 0 | 0±0 | ||
31 | 自生 | 長 | - | - | - | - | - | - | 9 | 9 | 6 | 16±21 | 5 | 17±41 | ||
33 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 37 | 11 | 2 | 3±6 | 2 | 33±58 | ||
44 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 4 | 4 | 6 | 28±32 | 0 | 0±0 | ||
49_50 | 自生 | 短 | - | - | - | - | - | - | 15 | 11 | 2 | 3±7 | 1 | 25±35 | ||
合計/平均 | 153 | 100 | 98 | 14±13 | 62 | 26±34 | 318 | 192 | 151 | 18±22 | 63 | 18±24 | ||||
雫石 | 1 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 12 | 2 | 3±12 | 5 | 50±71 | |
2 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 10 | 15 | 23±32 | 0 | 0±0 | ||
3 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 10 | 49 | 49±31 | 0 | 0±0 | ||
4 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 15 | 33 | 29±35 | 0 | 0±0 | ||
5 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 6 | 15 | 38±37 | 1 | 8±17 | ||
6 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 11 | 18 | 20±26 | 0 | 0±0 | ||
7 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 13 | 56 | 62±33 | 4 | 6±20 | ||
8 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 6 | 16 | 65±37 | 0 | 0±0 | ||
9 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 10 | 21 | 39±26 | 0 | 0±0 | ||
10 | 自生 | - | - | - | - | - | - | - | - | 20 | 82 | 67±29 | 1 | 1±3 | ||
合計/平均 | 113 | 307 | 40±21 | 11 | 6±16 | |||||||||||
z 「-」は未調査であることを示す. | ||||||||||||||||
y 「移植」は河川改修工事に伴い自生地内の別の場所に移植して系統保存しているジェネットを表す. | ||||||||||||||||
x 「長」は異型花柱性における長花柱花,「短」は短花柱花であることを表す. |