1999 年 4 巻 2 号 p. 107-111
愛知万博の環境影響評価は,今年から施行された環境影響評価法の先例とされようとしている.ところが,その準備書公表直後に準備書に書かれていないオオタカの営巣が確認され,準備書の是非だけでなく,会場計画そのものの是非も問われつつある.たった一つがいのオオタカによって評価ががらりと変わる環境影響評価とは,いったい何なのか.もともと準備書自身にどんな不備があったのか.今後の環境影響評価に不可欠の要素である説明責任,順応性,反証可能性をめぐる準備書の問題点を探る.