抄録
食肉の軟化・熟成をもたらすものの一つとしてコネクチンを構成成分とする弾性フィラメントの脆弱化がある。我々は先に、筋肉を超高圧に短時間曝すとα-コネクチンはβ-コネクチンへ変換する事、この変換はカルパインによって引き起こされる事を報告した。また 超高圧処理が筋節中のコネクチンエピトープの局在性に及ぼす影響についても免疫電子顕微鏡法により観察し、通常の熟成中に生じる変化と比較検討した。本研究では高圧処理がコネクチンの分子構造に及ぼす影響を主に光学的な手法によって明らかにした。CDスペクトルの測定から、コネクチンはβ構造が主要な部分を占めていることが明らかになった。400MPaまでの加圧では大きな変化は認められなかったが、処理圧力が600MPaまで増加するとβシート構造の有為な減少とターンの有為な増加が認められた。蛍光スペクトルの測定および質量中心の変化から、コネクチンの三次構造は100-200 MPaの比較的低い圧力では可逆的な変化を受けるが、処理圧力がさらに高くなると、その変化は不可逆的になると考えられる。