抄録
一連の炭化水素ガス(C1~C4)加圧下で、代謝熱測定法により酵母の増殖挙動をモニタリング・解析し、その細胞毒性を定量的に評価した。各気体ごとに、50%増殖阻止圧力(IP50: Inhibitory pressure 50)と最小増殖阻止圧力(MIP: Minimum inhibitory pressure)を決定した。その結果、炭化水素ガスの種類、異性体によって毒性が異なり、n-ブタン>i-ブタン>プロパン>エタン>メタンの順に毒性が大きいことが明らかになった。炭化水素ガスの毒性は、その疎水性との間に強い相関関係があったことから、炭化水素ガスが酵母の細胞膜などの疎水性領域と作用し、生体膜に何らかの影響を与えているものと考えられる。また、炭化水素ガス加圧により、酵母から核酸関連物質の漏出が確認された。さらに、炭化水素ガス加圧による酵母の形態変化を走査電子顕微鏡により観察したところ、細胞が変形、陥没している様子が認められた。