抄録
二酸化炭素ガスの微高圧雰囲気下におけるクコ果汁野生付着菌に対する殺菌効果について検討を行なった。中国、寧夏回族自治区中寧県にて収穫したクコ(学名:Lyceum barbarum)果実から、クコ果汁を作成し、加圧容器に封入後、二酸化炭素ガス加圧処理を行い、野生付着菌に対する影響について検討を行なった。二酸化炭素ガス50気圧条件で1日間処理した場合、クコ果汁野生付着菌の生菌数がシャーレ-のスポットの数で10個以下になるというきわめて明瞭な殺菌効果が、細菌用LB平面培地、酵母用YPD平面培地、カビ用PDF平面培地において確認された。さらに、二酸化炭素ガス3気圧条件という微高圧条件においても、14日間の長期処理条件において、50気圧で1日間処理条件に相当するきわめて明瞭な殺菌効果が確認された。現在、商業的流通食品の加圧基準上限が4気圧であることから、4気圧以下の条件においての二酸化炭素加圧ガスによる商業的流通食品への応用が期待された。