2021 年 11 巻 3 号 p. 123-128
【目的】本研究では,男女間におけるフレイル要因および身体各部位筋厚の性差を検討した。【方法】対象は要支援1から要介護2までの要支援・要介護男女高齢者37名とし,男性高齢者22名と女性高齢者15名に分類した。フレイルの評価には基本チェックリストを用いた。身体6部位の筋厚に加え,身長,体重,BMI を測定した。【結果】男性高齢者では女性高齢者と比べて閉じこもり傾向にあった。各部位筋厚では男性高齢者に比べて女性高齢者は大腿前部,上腕前部,上腕後部,下腿前部に有意な低値を認めたが,大腿後部と下腿後部の筋厚には性差を認めなかった。【結論】本研究結果より,要支援・要介護高齢者では性差の特徴に応じた介護予防の実践が期待される。