2024 年 14 巻 2 号 p. 87-92
本研究の目的は,入院・通院中の高齢者が普段在宅で行っている日常生活の優先度を明らかにし,運動継続に結びつけることである。対象は当院に入院・通院中の患者および当院併設のデイサービスを利用されており,歩行が自立,かつ認知機能低下のない高齢者42名である。日常生活活動の優先度について質問紙調査を実施した。屋外の活動18項目,屋内の活動18項目の中から「普段最もよく行っている活動」1 ~ 5 までの順位付けをさせた。その結果,男性と女性ともに整容が1 位であった。男性は上位に庭周りの活動が多く,女性は家事活動が多くを占めていた。男女別で優先順位が大きく異なる傾向がみられた。優先される活動は男性で庭周りの活動,女性で家事活動が多いため,運動を継続してもらうためには,対象者の性別や生活環境を考慮した指導が必要になる可能性が示された。