2024 年 14 巻 2 号 p. 93-100
本研究では,ジュニアアスリート52名を対象に,整形外科医によるスポーツ障害の評価と身体機能評価テストとの関係を検討した。メディカルチェックでは,膝および下腿・足部障害の有無を確認した。身体機能評価テストは,体幹屈曲,片脚フルスクワット,しゃがみ込み,Active Straight Leg Raise(ASLR)とした。小学生では,膝障害および下腿・足部障害と身体機能評価テストとの関連がみられなかった。中学生では,しゃがみ込みと片脚フルスクワットのスコアが低いと膝障害の陽性割合が高く,体幹屈曲とASLRのスコアが低いと下腿・足部障害の陽性割合が高くなる傾向が確認された。本研究の身体機能評価テストの活用で,中学生の下肢障害の早期発見や予防に重要な役割を果たすことが期待される。