ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
Print ISSN : 2186-3741
ISSN-L : 2186-3741
原著
Trail Making Test とMini-Mental State Examination との関連
―簡便な認知機能低下の識別方法の検討―
岩瀬 弘明村田 伸日沖 義治北尾 沙友里中村 純子中井 良哉村上 貴士窓場 勝之
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キーワード: TMT, MMSE, 認知機能
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2013 年 3 巻 1 号 p. 1-4

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抄録
本研究の目的は,TMT-A が認知機能低下を識別するための有用な評価法となり得るのか否かについて検討することである。方法は,入院中の高齢患者31名を対象にTMTA を測定し,MMSE,FIM-C との関連について検討した。その結果,MMSE,FIM-C との間に有意な負の相関が認められた。また,TMT-A の所要時間が5分未満の対象者は,そのすべてがMMSE のカットオフ値である24点以上であり,認知機能低下の疑いが低かった。一方,TMT-A の所要時間が5分以上の対象者は,その多くがMMSE23点以下であり,認知機能の低下が疑われた。本研究の結果から,TMT-A の施行時間に5分以上を要する患者には,MMSE を行う必要性が示唆された。すなわち,TMT-A はMMSE を行うか否かのスクリーニングテストとして有用である可能性が示された。
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© 2013 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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