2013 年 3 巻 2 号 p. 53-57
本研究は,パーキンソン病患者の足趾把持力および大腿四頭筋筋力を測定し,低速歩行および至適歩行から得られた歩行パラメーターとの関連について検討した。対象は,パーキンソン病患者17名とした。足趾把持力および大腿四頭筋筋力を測定し,低速歩行および至適歩行から得られた歩行パラメーター(速度,歩行率,ストライド,歩隔)との関連を検討した。その結果,足趾把持力は,低速歩行の速度およびストライドと有意な相関が認められた。また,足趾把持力と至適歩行の各歩行パラメーターとの間に有意な相関は認められなかった。一方,大腿四頭筋筋力は,低速歩行や至適歩行のすべての歩行パラメーターとの間に有意な相関が認められなかった。パーキンソン病患者において,足趾把持力の高い者ほど低速歩行ができることが示唆された。