日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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転写因子の遺伝子破壊株コレクションを用いた窒素栄養応答の解析 ‐MADSボックス転写因子AGL21の役割の解明‐
*鈴木 昭徳黒森 崇篠崎 一雄斉藤 和季高橋 秀樹
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p. 0352

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抄録
植物の栄養吸収においてトランスポーターは中心的な役割を果たすが、トランスポーターをコードする遺伝子の発現制御に関する研究は立ち遅れている。転写制御は遺伝子発現制御の基本であり、制御機構の詳細な解明のためには転写因子の同定と機能解析が必要である。シロイヌナズナでは約2000遺伝子が転写因子をコードすると推定されている。今回の解析では、理研トランスポゾンタグラインコレクションから265遺伝子の転写因子の破壊株のホモ系統を確立し、以下の解析に用いた。硝酸イオントランスポーターNRT2;1は窒素同化で主要な役割を担う。本研究では、リアルタイムPCRによりNRT2;1の発現量を指標としたスクリーニングを行い、野生型株と比較してNRT2;1の発現量が増加している変異株を遺伝子破壊株コレクションの中から単離した。この変異株はMADSボックス転写因子AGL21の遺伝子破壊株であった。AGL21は根で発現し、窒素欠乏による発現誘導を受ける。同じファミリーに属する転写因子ANR1は硝酸イオンに応答して側根の伸長を促進するが、AGL21の遺伝子破壊株は低窒素条件下で生育させると主根の伸長が著しく阻害された。以上のことから、AGL21はANR1とは窒素応答における役割が異なり、低窒素栄養条件における生育に必要な転写因子であることが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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