抄録
本研究は,おむつ利用者を対象として,自動排泄処理装置使用の睡眠状況に与える影響について検証することを目的とした.研究対象は,夜間排泄ケアにおいておむつを利用している女性高齢者2名であった.睡眠状況の評価には就寝時に出現する体動数を指標とした.通常のおむつ使用期間で得られるデータをコントロールデータとし,自動排泄処理装置使用期間のデータと比較した.その結果,就寝時体動数は通常のおむつを使用する期間よりも,自動排泄処理装置を使用する期間で少なくなる傾向が観察された.これらの研究成績は,夜間排泄ケアにおける自動排泄処理装置の利用は対象者の睡眠状況に変化をもたらす可能性を示唆し,おむつ利用者に対する介護への応用が期待される.