ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
Print ISSN : 2186-3741
ISSN-L : 2186-3741
4 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 安田 直史, 村田 伸
    2014 年4 巻2 号 p. 55-63
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    [目的]本研究の目的は,フットケアと足把持力トレーニングの介入を要介護高齢者に行い,その効果について無作為化比較対照試験によって検討することである。[方法]対象は52名,フットケアと足把持力トレーニングを行う群18名,足把持力トレーニングのみを行う群17名,コントロール群17名の3つの群に分けた。介入は週に2回,12週間実施した。足把持力,足部柔軟性,Functional Reach Test,歩行速度,重心動揺,握力,大腿四頭筋筋力を介入前後に測定した。[結果]二元配置分散分析の結果,フットケアとトレーニングの併用群の足把持力,足部柔軟性,FRT,歩行速度は有意に高まり,トレーニングのみの群やコントロール群と比較しても有意に高値を示した。また,トレーニングのみの群の足把持力,FRT,歩行速度も介入後有意に高まり,コントロール群と比較して有意に高値を示した。[結論]フットケアと足把持力トレーニングの併用を行うことは,トレーニングを単独で行うより足部柔軟性が改善され,足把持力が増強し,動的立位バランスの向上や歩行速度が増加することが示唆された。
  • 岩瀬 弘明, 村田 伸, 久保 温子, 八谷 瑞紀, 相馬 正之, 江渡 文, 藤原 和彦, 上城 憲司
    2014 年4 巻2 号 p. 65-70
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,地域在住の高齢者を対象にQuality of Life(QOL)を総合的に評価し,各種身体機能との関係について検討することである。方法は,地域在住の高齢者145名(男性79名,女性66名)を対象に,主観的健康感,生活満足度,生きがい感,人間関係に対する満足度を評価し,上下肢・体幹筋力,柔軟性,静的バランス,歩行能力,応用歩行能力を評価した。偏相関分析の結果,各種身体機能と有意な相関が認められたのは主観的健康感のみであり,生活満足度,生きがい感,人間関係に対する満足度とは有意な相関が認められなかった。これらの知見から,地域在住高齢者のQOL は各種身体機能に関連がある部分と,関連がない部分があることが示唆された。
  • 大杉 紘徳, 村田 伸, 久保 温子, 八谷 瑞紀, 平尾 文, 藤原 和彦, 上城 憲司
    2014 年4 巻2 号 p. 71-75
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,下肢機能評価である30秒椅子立ち上がりテスト(CS‐30)を測定し,下肢機能の優劣により認知機能の差異が認められるかを性別に検討した。65歳以上の地域在住高齢者220名(男性124名,平均年齢76.3±5.8歳,女性96名,平均年齢75.0±5.4歳)を対象に,CS‐30,Mini-Mental State Examination(MMSE),等尺性膝伸展筋力を測定した。CS‐30の成績から,年代・性別ごとに示された基準値を用いて下肢機能が高い群(高群),中等度の群(中群),低い群(低群)の3群に分類し,それぞれのMMSE,等尺性膝伸展筋力を多重比較検定により比較した。結果,男女ともに低群で等尺性膝伸展筋力が高群よりも有意に低値を示した。また,女性のみ,低群のMMSE が高群よりも有意に低値を示した。このことから,身体機能と認知機能との関連には性差が認められることが明らかとなった。
  • 久保 温子, 村田 伸, 平尾 文, 小渕 可奈子
    2014 年4 巻2 号 p. 77-81
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    【目的】本研究の目的は、幼児における開眼片足立ちと幼児運動能力調査項目値との関連性から、幼児期の開眼片足立ち測定の妥当性を検討した。【対象】健常年中、年長児173名とし、平均月齢は66.9±6.8カ月であった。【方法】開眼片足立ち時間を測定した後、文部科学省の示した幼児運動能力調査より、25m走、立ち幅跳び、ボール投げ、両足跳び越し、体支持時間を評価した。開眼片足立ち時間と各運動能力測定値との関連をピアソンの相関係数から検討した。【結果】開眼片足立ち時間は、25m走、立ち幅跳び、両足跳び越し、体支持時間で有意な相関が認められた。【結語】幼児の開眼片足立ちは多くの運動機能を反映する評価であり、幼児期における開眼片足立ち測定の妥当性が示唆された。
短報
  • 50ⅿ歩行テストの妥当性
    八谷 瑞紀, 村田 伸, 大田尾 浩, 久保 温子, 松尾 奈々, 甲斐 義浩, 政所 和也, 溝田 勝彦, 山元 章生, 浅見 豊子
    2014 年4 巻2 号 p. 83-86
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,高齢者の歩行能力の評価指標として開発した50ⅿ歩行テストの妥当性を検討することである。健常な地域在住高齢者男性13名(平均71.0歳)を対象に,50 ⅿの所要時間および10ⅿ毎の所要時間(ラップ1~5),5ⅿ歩行時間,大腿四頭筋筋力,30秒椅子立ち上がりテスト(CS‐30),開眼片足立ちテスト,TimedUp&GoTes(tTUG) を測定した。ラップ1とラップ5を除いたラップ2~4までの10ⅿ毎の所要時間を比較した結果,すべてのラップ間に有意な差は認められず歩行時間は安定していた。また,歩行能力と身体機能との関連を分析したところ,50ⅿ歩行テストは大腿四頭筋筋力,CS‐30,開眼片足立ちテスト,TUG と有意な相関が認められた。一方,5ⅿ歩行時間では,CS‐30と開眼片足立ちテストとの間には有意な相関は認められなかった。従来から歩行能力の指標として用いられている5ⅿ歩行時間よりも,50ⅿ歩行テストの方が高齢者の身体機能をより反映することが確認され,歩行能力の評価法として有用であることが示唆された。
実践報告
  • 岩瀬 弘明, 村田 伸, 日沖 義治, 北尾 沙友里, 中村 純子, 中井 良哉, 村上 貴士, 窓場 勝之
    2014 年4 巻2 号 p. 87-91
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    【目的】iPad アプリケーション「Touch the Numbers」の信頼性と妥当性について検討した。【方法】健常成人34名を対象とした。信頼性の検討には級内相関係数ICC(1,1)と最小可検変化量(MDC)を用いた。また,妥当性の検討はTMT-A との関連から求めたピアソンの積率相関係数から検討した。【結果】ICC=0.66(95%CI:0.42‐0.81),MDC95は6.3秒であった。また,Touch the Numbers とTMT‐A との間に有意な相関(r =0.57,p<0.01)が認められた。【結論】これらの知見から,Touch the Numbers の再現性と妥当性が確認され,注意機能検査として使用できる可能性が示された。
  • 村田 潤, 大山 美智江, 熊谷 嘉毅, 金丸 恭子, 坂口 宏一, 森山 香織, 高橋 光, 窪田 伸一郎, 古後 晴基, 村田 伸
    2014 年4 巻2 号 p. 93-96
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,おむつ利用者を対象として,自動排泄処理装置使用の睡眠状況に与える影響について検証することを目的とした.研究対象は,夜間排泄ケアにおいておむつを利用している女性高齢者2名であった.睡眠状況の評価には就寝時に出現する体動数を指標とした.通常のおむつ使用期間で得られるデータをコントロールデータとし,自動排泄処理装置使用期間のデータと比較した.その結果,就寝時体動数は通常のおむつを使用する期間よりも,自動排泄処理装置を使用する期間で少なくなる傾向が観察された.これらの研究成績は,夜間排泄ケアにおける自動排泄処理装置の利用は対象者の睡眠状況に変化をもたらす可能性を示唆し,おむつ利用者に対する介護への応用が期待される.
feedback
Top