2016 年 6 巻 2 号 p. 73-77
〔目的〕本研究は,最大一歩幅に影響を及ぼす要因を検証するため,若年者を対象にバランス機能や下肢筋力,柔軟性などの身体機能評価に関する検査を行い,各因子と最大一歩幅との関連を検討した。〔対象・方法〕健常女性22名とした。測定項目は,最大一歩幅,下肢筋力として股関節伸展筋力,膝関節伸展筋力,足関節底屈筋力,足趾把持力,バランス機能としてFRT,TUG,柔軟性として長座体前屈距離とした。〔結果〕重回帰分析によって最大一歩幅に影響を及ぼす因子として抽出されたのは,膝関節伸展筋力とTUG であり,大腿四頭筋筋力が強いほど,TUG 遂行時間が短いほどに最大一歩幅が大きいことが確認された。これらの知見より,最大一歩幅を増大させるためには,膝関節伸展筋力とバランス機能を高める必要性が示唆された。