ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
Print ISSN : 2186-3741
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原著
地域在住高齢女性の体格指数別にみた静的バランス能力と下肢筋力の関係性
~転倒予防トレーニングの観点から~
山崎 先也村田 伸大田尾 浩堀江 淳村田 潤宮崎 純弥久保 温子八谷 瑞紀岩瀬 弘明岡本 啓溝田 勝彦
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2016 年 6 巻 3 号 p. 105-109

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抄録

本研究は,高齢者における静的バランス能力と下肢筋力の関係性を体格指数別に明らかにすることを目的とした。対象者は,75歳以上の女性152名であり,体格指数別に3 グループ(低栄養傾向群:BMI≦20kg/m2,標準体重群:20<BMI<25kg/m2,肥満群:BMI≧25kg/m2)に分類した。静的バランス能力の指標として,開眼片脚立位時間,下肢筋力として足把持力および膝伸展筋力の測定を行った。低栄養傾向群の開眼片脚立位時間(32.5±32.4秒)は,標準体重群(19.2±18.0秒)や肥満群(12.9±15.5秒)と比較して,有意に長いことが示された(p<0.01)。体重あたりの足把持力と開眼片脚立位時間に有意な相関関係が示された群は,低栄養傾向群と標準体重群であった(p<0.01)。一方,体重あたりの膝伸展筋力と開眼片脚立位時間に有意な相関関係が示された群は,標準体重群のみであった。これらの結果から,静的バランス能力に対する下肢筋力の寄与は体格により異なることが示唆された。

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© 2016 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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