ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
Print ISSN : 2186-3741
ISSN-L : 2186-3741
原著
二重課題が地域在住高齢者の歩行パラメータに及ぼす影響
飯田 康平村田 伸井内 敏揮鈴木 景太中島 彩中嶋 大喜中村 葵白岩 加代子安彦 鉄平阿波 邦彦窓場 勝之堀江 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 6 巻 3 号 p. 127-131

詳細
抄録

本研究の目的は,二重課題が地域在住高齢者の歩行パラメータに及ぼす影響を明らかにすることである。方法は女性高齢者35名を対象に,通常歩行(single-task 歩行;ST 歩行)と暗算課題を行いながらの歩行(dual-task 歩行;DT 歩行)について,それぞれの歩行パラメータを比較した。その結果,DT 歩行はST 歩行に比べて,歩行速度,歩行率,歩幅,ストライドが有意に短縮し,立脚時間と両脚支持時間は有意に延長した。さらに,百分率でみると歩幅が89.9%,ストライドが90.9%に減少し,立脚時間は166.6%,両脚支持時間は2倍に増加した。ただし,歩隔とつま先角には有意差は認められなかった。以上のことから,DT 歩行中の歩行速度の低下には,歩行率,歩幅,ストライドの短縮,および立脚時間と両脚支持時間の増加が影響していること,特に立脚時間と両脚支持時間の増加が歩行速度低下に大きく関与していることが示唆された。

著者関連情報
© 2016 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top