2017 年 7 巻 2 号 p. 73-78
[目的]学童期のスポーツ選手における肩関節回旋可動域の特徴を明らかにすることを目的とした。[対象と方法]軟式野球もしくは剣道クラブに通うH小学校の健常学童で,少年野球選手25名と少年剣道選手17名を対象とした。質問票による調査と肩関節90° 外転位の外旋・内旋関節可動域(Range of Motion: ROM)の測定を行い,少年野球選手と少年剣道選手の比較,および利き手側と非利き手側を比較した。[結果]ROM のすべての測定項目で少年野球選手と少年剣道選手に有意差は認められなかった。また,少年野球選手と少年剣道選手共に,外旋ROM は利き手側と非利き手側に有意差が示されなかったが,内旋ROM は利き手側が非利き手側と比較して有意に低値を示した。[結語]学童期において,利き手側の肩関節内旋ROM は減少していることが示唆された。