2018 年 8 巻 1 号 p. 7-11
本研究は,Functional Reach Test(FRT)の併存的妥当性を検討するため,FRT の実測値と重心動揺測定器での計測値との関連性を検討した。対象者は健常成人女性33名とし,FRT の実測値,FRT 実施中の足圧中心の前方移動距離,最大リーチ位での総軌跡長および矩形面積,前方移動距離の次乗に対する最大リーチ位での矩形面積の比(PSI)を測定した。各測定値間の関連性を検討するため,pearson の積率相関係数を求めた。その結果,FRT の実測値と足圧中心の前方移動距離との関連性は限定的であることが推測された。さらに,FRT の実測値とPSI との関連性が認められなかったことから,FRT の実測値によってバランス能力を評価することは不十分であることが示された。