ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
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原著
慢性頸部痛患者の破局的思考と運動恐怖感は能力障害に影響するか?
-発症起点の有無を考慮した横断的検討-
山下 裕古後 晴基西上 智彦東 登志夫
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2018 年 8 巻 3 号 p. 101-106

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抄録

【目的】慢性頸部痛患者における破局的思考や運動恐怖感が能力障害に関連する因子かどうか検討した。【方法】3ヶ月以上頸部痛を有する外来患者99名(外傷性35名,非外傷性64名)を対象とした。評価項目は,Neck Disability Index(NDI),安静時・運動時疼痛強度,疼痛持続期間,破局的思考,運動恐怖感とした。Mann-Whitney U 検定を用いて発症起点の有無における評価項目を比較した。また,Stepwise 法による重回帰分析を用いてNDI に関連する項目を検討した。【結果】外傷性頸部痛患者と比較して非外傷性頸部痛患者は年齢,疼痛持続期間において有意に高値を示したが,その他の項目に有意な差は認められなかった。NDI と関連する項目は,破局的思考と安静時・運動時疼痛強度であった。【結論】慢性頸部痛患者においては,外傷性か非外傷性に関わらず破局的思考が能力障害に関連することが明らかとなった。

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© 2018 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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