2019 年 9 巻 1 号 p. 13-17
[目的]早期・初期変形性膝関節症患者における生活の質(QOL)に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的とした。[対象]早期・初期変形性膝関節症患者女性45名とした。[方法]日本版変形性膝関節症患者機能評価尺度(JKOM)と背景因子および身体機能の諸因子間の関係について,spearman の順位相関係数を用いて検討した。JKOM を従属変数,単相関分析の結果JKOM と有意な相関係数が認められた膝関節屈曲可動域および開眼片脚立位保持時間を独立変数として重回帰分析(ステップワイズ法)を実施した。[結果]JKOM 総得点に影響を及ぼす因子として膝関節屈曲可動域が抽出された(p <0.05)。[結語]早期・初期変形性膝関節症患者には膝関節屈曲可動域の維持,さらには改善を目的とした理学療法を実施し,膝関節屈曲可動域に対し重点的に治療を行っていくことが,進行の予防につながり,QOL の向上につながると考えられる。