2019 年 9 巻 1 号 p. 19-23
[目的]45歳~64歳までの地域で生活する中年女性を対象に,ロコモティブシンドロームに該当する者が,どのような身体機能・身体特性を有するのかを検討することとした。[対象]45歳~64歳までの地域で自立して生活する中年期の女性24名とした。[方法]ロコモ度テストの他,身体機能評価5項目ならびに身体組成評価(骨密度・Body Mass Index(BMI)・Skeletal Muscle mass Index(SMI))を行った。対象者をロコモ群と非ロコモ群2群に分類し,それぞれの評価項目を比較した。[結果]24名のうち,ロコモ群は9 名であった。身体機能評価は,すべての項目で2群間に有意な差は認められなかった。一方,身体組成のうち,骨格筋量とSMI において2群間に有意な差が認められた。[考察]本研究の対象者は,運動機能低下はほとんど認められないが,すでに筋量低下の徴候が認められた。中年期からロコモティブシンドローム啓発に努め,該当者に適切な運動指導を行うことの重要性が示唆された。