2019 年 9 巻 3 号 p. 119-125
本研究は,1年後に軽度認知障害(MCI)を発症した地域在住高齢者における,身体機能・精神機能の特徴を明らかにすることを目的とした。ベースライン時点で認知機能障害のない地域在住高齢者91名を対象とした。1年後にMMSE24‐26点に低下した者をMCI 群,27点以上に保たれた者を非MCI 群に分類し,ベースライン時の身体機能および精神機能を比較した。その結果,MCI 群では,非MCI 群と比較して開眼片脚立位時間が有意に低値を示した(p<0.05)。以上から,開眼片脚立位時間は,地域在住高齢者の1 年後のMCI 発症を予測する評価として有用である可能性が示された。