2020 年 9 巻 4 号 p. 195-200
本研究では,体力測定会に参加した地域在住高齢者245名(男性50名,女性195名)を対象に,閉じこもりの有無により,身体機能,身体組成,認知・精神機能に差異がみられるか検討した。その結果,男性では,TUG と歩行速度が閉じこもり群より,非閉じこもり群の方が有意に良好な値を示した(p<0.05)。身体組成は,筋肉量,体水分量,タンパク質量,骨ミネラル量,基礎代謝量が,閉じこもり群より非閉じこもり群の方が良好な値を示した(p<0.05)。うつ傾向を示す者が,閉じこもり群の方が非閉じこもり群より有意に多い結果を示した。女性では,身体機能は,握力,TUG,歩行速度が閉じこもり群より非閉じこもり群の方が良好な値を示した(p<0.05)。その他の項目には2群間に有意差は認められなかった。閉じこもりによる影響は,男性と女性では異なることが示唆された。