2023 年 31 巻 p. 161-165
コアシェル型微粒子は,複数の異なる物性を共存させることが可能であり,形態や粒径を制御することによって,光学材料,診断薬,フィラーなど,多岐にわたる製品に応用されている.コアシェル型高分子微粒子は,シード粒子の調製後にシェル材料を重合させるという多段階プロセスを経て製造される.しかしながら,この製造プロセスは時間がかかる上,操作も複雑である.本研究では,マイクロフロー・プロセスにおいてスラグ流を重合場とした,コアシェル型微粒子の高速かつ連続的な合成技術を開発した.本報告では,Water-in-Oil型スラグ流を反応場としたSoap-free乳化重合により流路の閉塞を起こすことなく,粒径が均一なコアシェル型高分子微粒子を連続的に合成した事例を報告する.