抄録
イチゴやシュンギクなどの低温期の保温に広く利用されているウォーターカーテンを用い,イチゴ夏秋どり栽培に応用した場合の施設内環境および果実収量に及ぼす影響について,2008および2009年に調査した.2008年はウォーターカーテン区(WC区)と対照区(CNT区)を設定し,2009年はウォーターカーテン区(WC区),遮光区(SHADE区),対照区(CNT区)を設けた.WC区では,日射量を大きく減じることなく葉温および培地温の昇温が抑制され,商品果収量はCNT区の13~14%増加した.一方,SHADE区では日射量は64%に減少したが,葉温や培地温の昇温抑制効果は小さく,果実収量はCNT区よりも低下した.以上のことから,高温期にウォーターカーテンを利用することによって,果実収量を増加させることが可能であることが明らかとなった.