抄録
三重県で栽培されている生食用ブドウ品種について,収穫後の紫外線照射,着果部位の光量,有袋と除袋および収穫時期などが果皮中のレスベラトロール含量に及ぼす影響を検討した.‘巨峰’では紫外線照射で,‘安芸クイーン’では着果部位の光量が多いとレスベラトロール含量が高かった.また,‘安芸クイーン’および‘マスカット・ベーリーA’では収穫期の果実袋の除去が,‘巨峰’および‘マスカット・ベーリーA’では収穫時期を遅らせることが,それぞれレスベラトロール含量を有意に増加させた.以上のことから,収穫期の果実への光量を増やす栽培管理により,レスベラトロール高含有のブドウが生産できることが示された.