園芸学研究
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育種・遺伝資源
近紫外線除去フィルム被覆下でも着色が優れる単為結果性ナス系統の選抜法
古賀 武下村 克己末吉 孝行三井 寿一浜地 勇次
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2014 年 13 巻 2 号 p. 91-95

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抄録

近紫外線除去(UVA)フィルム被覆下でも果皮の着色が優れる単為結果性ナス品種育成の可能性を判断する目的で,へた下の着色が濃い半数体倍加(DH)系統(濃系統),へた下の着色が淡いDH系統(淡系統)およびこれらのF1を供試して,へた下の着色程度とUVAフィルム被覆下における果皮色との関係について検討した.一般農業用ビニルフィルム被覆下(農ビ区)とUVAフィルム被覆下(UVA区)における果皮色の色差値は,濃系統の方が淡系統より有意に小さかった.また,濃系統を両親としたF1系統では,淡系統を片親あるいは両親としたF1系統より,農ビ区とUVA区間における果皮色の色差値が有意に小さかった.このことから,へた下の着色程度とUVAフィルム被覆下における果皮色には遺伝的な関連が認められ,UVAフィルム被覆下でも果皮の着色が低下しにくい単為結果性ナス品種育成の可能性が示唆された.また,果皮色の選抜に当たっては,一般農業用ビニル被覆下におけるへた下の着色程度を指標とすることによって,UVAフィルム被覆下でも果皮の着色が優れる系統を選抜できるものと考えられた.

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© 2014 園芸学会
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