抄録
ニチニチソウ16品種の花弁における花色とフラボノイド組成について調査した.11種類のアントシアニン(2種類の植物界での新規アントシアニン:ヒルスチジン3-ガラクトシドとロシニジン3-ガラクトシド,および,ニチニチソウでの新規アントシアニン:7-メチルシアニジン3-ガラクトシドを含む)とともに2種類のカフェオイルキナ酸および10種類の既知フラボノールが同定された.ニチニチソウの有色花弁(目の部分を除く)の赤色から紫色への花色変異(色相値の減少)はフラボノール配糖体の増加,アントシアニン量の減少,および,アントシアニジンのB環のヒドロキシル化およびメトキシル化パターンが大きく影響することが考えられた.