園芸学研究
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育種・遺伝資源
Brassica rapa L.とEruca sativa Mill.との属間交雑個体におけるグルコシノレートおよびイソチオシアネート組成
上西 愛子聖代橋 史佳菊池 真司木庭 卓人吉田 誠北 宜裕
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2017 年 16 巻 3 号 p. 265-271

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抄録

アブラナ科アブラナ属コマツナ(B. rapa L. Perviridis Group)とキバナスズシロ属ルッコラ(E. sativa Mill.)を属間交雑し,胚珠培養により交雑個体を得た.得られた交雑個体の表現型のうち,花序や葉身は両種の中間型,胎座の配列はコマツナ型,茎生葉の基部の形状はルッコラ型を示した.GISH法によりコマツナおよびルッコラ由来の染色体が明確に識別されたことから,この交雑個体は両種の雑種であることが確認された.また,この交雑個体はルッコラ由来の機能性成分エルシン前駆体(4-methylthiobutyl-GSL: Glucoerucin)およびスルフォラファン前駆体(4-methylsulfinylbutyl-GSL: Glucoraphanin) も含有していたことから,今後,消費者ニーズに応えられる付加価値の高い新規軟弱野菜品種の育成につながるものと期待される.

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