園芸学研究
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栽培管理・作型
中晩生カンキツ‘せとか’果実の“軟化症”に関する研究
岩崎 光徳安部 伸一郎深町 浩
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2018 年 17 巻 2 号 p. 185-190

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抄録

中晩生カンキツ‘せとか’では,食味の劣る軟化した果実が主にハウス栽培で一定程度発生することが問題となっている.そこで,本研究では,この症状を“果実軟化症”と仮称し,軟化症果の品質や発生程度,発生メカニズムについて研究した.軟化症果は正常果に比べて小さく,果皮色は黄色みを呈しており,果皮厚は薄い特徴があった.果実の弾性は,軟化症果が正常果に比べて約1割低かった.軟化症果の果汁は,正常果と比較して全糖含量,全アミノ酸含量が低く,全酸含量が高かった.特に‘せとか’の主要な糖であるショ糖含量は65%低く,主要な酸であるクエン酸含量は27%高かった.軟化症果の発生率は,樹全体では平均3.1%であったが,内成りでは11.8%と高かった.軟化症果と正常果が同時に着果する側枝に13CO2を吸収させて光合成産物の分配を調査した結果,軟化症果では果実中の13Cが極めて低かった.また,軟化症の果盤部の顕微鏡観察で,篩部にカロースが多数蓄積していることが確認された.以上のことから,軟化症果は,カロースが果盤部の篩管を閉塞させ,果実へのショ糖の転流を阻害することによって発生することが示唆された.

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