園芸学研究
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栽培管理・作型
夏秋作型カラーピーマン栽培における収穫後の光照射が時期別の着色促進効果と収量性に及ぼす影響
古野 伸典吉田 千恵松永 啓
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キーワード: 着色, 光照射, 温度, パプリカ
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2019 年 18 巻 2 号 p. 127-132

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抄録

カラーピーマン果実への光照射による着色促進技術の生産現場での実用化を目的に,着色段階の違いが着色進展に及ぼす影響を検討するとともに,夏秋作型の収穫時期ごとの光照射による着色促進効果について調査した.その結果,果実表面積に対する着色面積が,赤色品種では5%以上,黄色品種では10%以上であれば7日以内に出荷基準である90%以上まで着色することが明らかとなった.生産現場での実用性や普及性を考慮すると,光照射には赤色品種と黄色品種ともに収穫時の着色割合が10%以上の果実を用いる基準が妥当と考えられる.夏秋作型の収穫期間を通して,10%以上着色した果実を収穫して光照射により着色促進することで,通常の収穫方法に比べて商品収量が10%以上増加した.特に,日射量の減少や気温の低下が著しい晩秋期での増収効果が高く,処理開始時期としては東北地方の場合は10月以降が望ましいと考えられた.一方,着果負担軽減による増収や,夏期の高温障害の発生軽減などの効果は認められなかった.

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