2019 年 18 巻 2 号 p. 139-142
開花期の高温条件下において,甘果オウトウの結実向上を目的に,3種類のジベレリン生合成阻害(PBZ, TNE, PCa)が結実率に及ぼす影響を調査した.ジベレリン生合成阻害剤処理区の結実率は3種類とも無処理区より有意に高かった.新梢伸長に対する影響は,ジベレリン生合成阻害剤の種類によって異なり,抑制程度はPBZ > TNE > PCaの順に強かった.ポット樹試験の結果,新梢への影響が小さいPCaについて地植え樹でさらに検討した.開花期間中に高温遭遇しても,開花する2週間前にPCaを処理すれば健全な胚珠がより長く維持することが示された.また結実率も無処理区に比べて向上することが明らかになった.