園芸学研究
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栽培管理・作型
高知県のトルコギキョウ冬季出荷栽培における二酸化炭素施用が収穫時期および切り花品質に及ぼす影響
門田 太志片岡 明彦渋谷 淳平福田 直子牛尾 亜由子
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2020 年 19 巻 3 号 p. 277-284

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抄録

トルコギキョウ冬季出荷栽培において,ブラスチング発生による切り花品質の低下が問題になっている.二酸化炭素施用はその問題の解決策として期待される技術である.我々は,高知県におけるトルコギキョウの冬季出荷栽培において昼温25°C管理下の温室での二酸化炭素施用の切り花品質に対する効果を検証した.3棟の温室を用いて3品種を供試し,(i)昼温25°C無施用区,(ii)昼温25°C施用区,(iii)昼温30°C施用区を設置し,収穫日および切り花品質の比較を行った.収穫日は,昼温25°C無施用区に比べ,昼温30°C施用区では3品種とも早くなったのに対し,昼温25°C施用区は1品種のみ早くなった.切り花品質は,無施用区に対して施用両区で供試した3品種とも切り花は長く,商品花蕾数は多くなったことで,外観上の切り花品質が向上した.昼温25°C施用区は昼温30°C施用区に比べ,換気窓開放時間が長いために1,000 ppmの高CO2濃度を維持できる時間は短かったが,昼温30°C施用区とほぼ同等の切り花品質の向上効果が得られることが明らかとなった.

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