園芸学研究
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栽培管理・作型
景観形成材料としての利用を想定した各種球根植物の耐暑性の評価
松原 健一稲本 勝彦土井 元章今西 英雄
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2003 年 2 巻 1 号 p. 29-33

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抄録
我が国の気候条件下において景観形成材料として利用することを想定し,16種類の球根植物について耐暑性の評価を行おうとした.大阪府堺市において外気温と同一(±0℃区),外気温より5℃高く(+5℃),あるいは(−5℃区)なるよう,外気温に対して追随制御を行った人工気象室内で1999年7月9日あるいは7月16日から9月20日の間植物を栽培し,生育様相を観察した後,9月20日に植物を戸外に搬出し,引き続き観察した.ダリア,オリエンタル系ユリ‘ホワイト・エンゼル’では+5℃区ですべての個体が枯死した.その他の品目では,より高温下での栽培で,出芽の遅延(ムスカリ,ニホンスイセン),展開葉数の減少(アガパンサス),草丈の減少(ムスカリ,モントブレチア),シュート数の減少(春咲きグラジオラス),開花率の低下(アマクリナム,モントブレチア,春咲きグラジオラス,ジンジャ)が認められた.ラッキョウ,シラン,リアトリス,アジアティック系ユリ‘エリート’,リコリス,ゼフィランサスでは,高温による生育への影響は認められなかった.また,カンナは高温下で良好な生育を示した.
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© 2003 園芸学会
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